トラックの車検費用を少しでも抑えたいけれど「整備の質が心配」「どこに依頼すればいいのかわからない」と悩む声は少なくありません。
特に、日常的に業務でトラックを使っている法人や個人事業主にとって、車検の費用・安全性・時間のすべてをバランスよく満たすことは大きな課題でしょう。
本記事では、トラックの車検を受けられる代表的な場所ごとの特徴や、費用の内訳、さらに車検コストを抑える具体的な方法までをわかりやすく解説していきます。
コストと品質のどちらも妥協しない車検を実現したいという方は、ぜひ参考にしてください。
トラックの車検を受けられる場所とそれぞれの特徴

トラックの車検を受けられる主な場所は、ディーラーや整備工場(指定工場)、ガソリンスタンドなどです。それぞれの依頼先にはメリット・デメリットがあり、費用や対応スピード、整備内容にも違いがあります。
- ・ディーラー
- ・整備工場(指定工場)
- ・ガソリンスタンド
これら、代表的な車検先の特徴を比較しながら、どのような選択肢があるのかを整理していきましょう。
ディーラー
新車でトラックを購入した際に、そのままディーラーで車検を受けるケースは少なくありません。
メーカーを熟知した整備士が、メーカー基準に基づいて丁寧な点検・整備を行い、必要に応じて純正パーツを使用するため、品質面での安心感があります。
スタッフの対応や手続きもスムーズで、初めての車検でも不安なく任せられる点が魅力です。
一方で、ディーラー車検は費用が高くなりやすく、繁忙期には希望のスケジュールで進まないこともあります。コストや納期を重視する場合は、他の選択肢と比較して検討するとよいでしょう。
整備工場(指定工場)
整備工場には「指定工場」と「認証工場」の2種類があります。中でも指定工場は、国の認可を受けて車検ラインを備えており、整備から検査までを自社内で完結できるのが特徴です。
日常的に多様な車種の整備を行っていることから、メーカーを問わず対応できる柔軟さと技術力が強みです。また、整備内容に応じて純正部品のほか、OEMパーツや中古パーツを使用するなど、コストを抑えた提案を受けられる場合もあります。
柔軟で親身な対応と、比較的リーズナブルな価格設定が整備工場の魅力となることが多いですが、工場ごとに整備方針やサービス内容が異なるため、事前に車検にかかる時間や対応範囲について確認しておくと安心です。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでの車検は、給油や洗車のついでに見積もりを依頼できる手軽さが魅力です。車検整備を店舗内で行う場合と、提携する外部工場に依頼する場合があり、納期や費用はその体制によって変わります。
基本的な整備や消耗部品の交換に限定して車検を進めることが多く、必要最低限の整備で済む分、費用を抑えやすい点が特徴です。
トラック車検の内訳は「車検の整備費用」と「法定費用」の2種類

トラックの車検にかかる費用は、大きく分けて「法定費用」と「車検整備費用」の2つに分類されます。
合計金額だけを見て高いと感じることもありますが、それぞれの費用には役割があり、内容を把握しておくことで無駄な出費を防ぎやすくなります。
ここでは、両者の違いとポイントを解説します。
車検の整備費用
トラックの車検では、点検や整備にかかるさまざまな費用が発生します。これらは一般に「車検の整備費用」と呼ばれ、車検の基本料金のほか、必要な整備の作業費用や部品代、清掃、申請手続きの代行料など、細かな項目で構成されています。
車両の状態や依頼する店舗によって、金額の幅が大きくなる費用です。
主な費用項目の内容は、次のとおりとなっています。
【車検の整備費用|主な内訳】
費用項目 | 内容 |
---|---|
車検基本料 | 法定で定められた点検項目を実施するための、基本的な作業費用。 |
整備技術料 | 点検結果に応じて必要な箇所を修理・整備する際の技術料。追加対応がある場合に発生。 |
部品・油脂料 | オイルやフィルターなど、交換が必要な部品や消耗品の費用。 |
保安検査料 | 専用機器を使って、安全基準に適合しているかどうかを確認するための検査費用。 |
検査代行手数料 | 所有者に代わって運輸支局などで手続きを行う際の代行費用。 |
その他(洗浄・塗装など) | エンジンや車体下部の洗浄、腐食防止のための下回り塗装など、より精密な整備を行うための追加処置費用。 |
整備費用は車両の状態や依頼先の方針によって差が出やすいため、見積もり段階で費用項目をしっかり確認しておくことが大切です。
法定費用
法定費用とは、法律で支払いが義務づけられている車検関連の費用のことを指します。整備内容や依頼先に関係なく、どこで車検を受けても同額である点が特徴です。
主に「自動車重量税」「自賠責保険料」「印紙代(検査料)」の3つで構成されており、それぞれ国や保険機関に対して支払うものです。
【法定費用|主な内訳】
費用項目 | 内容 |
---|---|
自動車重量税 | 車両の重量に応じて国に納める税金。車両総重量が重いほど税額も高くなる。エコカーなどは減税・免税対象になる場合もある。 |
自賠責保険料 | すべての自動車ユーザーに加入が義務付けられている強制保険。対人事故による損害を補償する。保険期間や車両区分によって保険料が異なる。 |
印紙代(検査料) | 自動車検査証を交付してもらうために必要な手数料。車両の種類や申請方法によって金額がわずかに変動する。 |
ただし、上記の表に記載のとおり、金額はどのトラックでも一律というわけではありません。
トラックの大きさ(小型・中型・大型)や車両総重量、さらにエコカー減税の対象かどうかといった条件によって、必要な金額は変動します。
トラックの車検費用をおさえる4つの方法

トラックの車検は業務に直結するコストである以上、できる限り出費を抑えたい部分です。しかし、安さだけを重視して必要な整備を省いてしまうと、安全性の確保や車両の寿命に悪影響を及ぼす可能性もあります。
そこで重要になるのが「整備の質を落とさず、トータルのコストを見直す」という視点です。
トラックの車検費用をおさえるための方法は、主に次の4つです。
- ・日常点検を行って車検費用をおさえる
- ・定期的にメンテナンスを受けて大きな修理費用を削減する
- ・減トンして法定費用をおさえる
- ・トラックの車検場所を比較して車検整備費用を節約する
これら、日々の点検から業者選びまで、すぐに実践できる節約術を見ていきましょう。
日常点検を行って車検費用をおさえる
車検にかかる費用を抑えるには、日々の点検作業が欠かせません。車両の不具合を早期に発見できれば、症状が悪化する前に対処できるため、大がかりな修理を避けることができるからです。
また、トラックの使用者には、道路運送車両法に基づいて日常点検を実施する義務があり、定期的なチェックは安全運行だけでなく、車検時の整備費用の負担軽減にも直結します。
日常点検を継続的に実施し、車検時の追加整備を最小限に抑え、結果的に費用の削減と車両トラブルの防止を両立させましょう。
定期的にメンテナンスを受けて大きな修理費用を削減する
車検のたびに高額な修理費が発生してしまう原因の多くは、日常の使用による部品の劣化や不具合の放置です。トラックは走行距離や使用頻度が高く、負荷のかかりやすいパーツが多いため、定期的なメンテナンスを実施しておくことで、突発的な故障や車検時の大きな出費を避けられます。
特に、オイル交換やエアフィルターの清掃・交換、ブレーキパッドの摩耗点検、バッテリーの状態確認といった基本的な整備は、トラックの稼働に直結する重要なポイントです。こうした項目を定期的にチェック・交換しておくことで、小さな不具合の早期発見につながり、故障や追加修理のリスクを減らせます。
メンテナンスは「壊れてから対応する」ではなく「故障を未然に防ぐ」視点で取り組み、車検時の大きな出費をおさえ、全体のコスト削減につなげましょう。
減トンして法定費用をおさえる
減トンは、車検証上の最大積載量を引き下げる手続きのことです。
トラックの車検費用を構成する「法定費用」のうち、とくに自動車重量税は車両の総重量、自賠責保険料は最大積載量に応じて金額が決まります。
そのため、減トンできれば重量区分が下がり法定費用がおさえられ、車検費用が低くなります。それだけでなく、自動車税や保険料の負担が軽減されるケースもあります。
ただし、減トンには運輸支局での構造変更申請が必要です。整備や書類の準備も伴います。実際に減トンによる費用メリットが出るかどうかは、車両の使用状況や今後の運用方針によって異なるため、専門業者への相談がおすすめです。
トラックの車検場所を比較して車検整備費用を節約する
車検にかかる費用のうち「法定費用」はどこで受けても金額が変わりませんが、「整備費用」や「代行手数料」などは依頼先によって大きく異なります。そのため、同じ車検であっても、どの業者に頼むかによってトータルコストに数万円単位の差が出ることも珍しくありません。
たとえば、ディーラー車検は、メーカー基準に沿った安心感はありますが、整備内容がパッケージ化されており、比較的高額になりやすい傾向があります。一方、整備工場では、必要な整備を選択できるケースも多く、費用を抑えやすくなっています。
車検費用だけでなく、整備内容やアフターサービスの有無なども含めて比較し、無駄な出費をおさえることも大切です。
安心・スピーディかつ車検費用をおさえるなら整備工場がオススメ!

トラックの車検費用をできるだけおさえたいと考えるなら、まず検討すべきは「どこに依頼するか」です。依頼先はさまざまありますが、整備工場での車検がオススメです。
整備工場では、必要な整備項目を的確に見極め、不要な作業を省いた「ムダのない整備」が可能です。純正部品にこだわらず、性能を満たすOEMパーツなどを柔軟に活用することで、品質を確保しつつ部品代を抑えることもできます。
中でも、整備から検査までを自社工場内で一貫して行える「指定工場」を備えている店舗なら、国家資格を持つ検査員による法令に基づいたチェックが行われるため、安全面でも安心して任せられます。
また、当日中に車検を終えられる「1日車検」が可能な整備工場もあり、対応スピードの早さも大きな魅力です。
「車検自体の費用がおさえやすい」「安全面・対応スピードが早く対応が高品質」「1日車検でふだんの業務をできる限り止めない」といったメリットがある整備工場なら、納得のいくトラックの車検を実現できるでしょう。
トラックの車検よくある質問

トラックの車検を検討する際には、車検の有効期間や必要書類、実施時期など、基本的な制度や運用ルールについてあらためて確認しておきたいという場面が多くあります。
トラック車検に関して特に問い合わせの多い、よくある質問を中心にポイントを解説していきます。
- ・トラックの車検は何年ごとに実施するの?
- ・なぜトラックの総重量で車検の有効期間が変わるの?
- ・トラック車検の有効期間を確認する方法は?
- ・トラックの車検は何日前から受けられる?
- ・トラック車検に必要な書類は?
- ・トラックの車検にかかる日数はどれくらい?
それぞれの内容を把握し、車検に向けた事前準備や社内のスケジュール管理をよりスムーズにしていきましょう。
トラックの車検は何年ごとに実施するの?
トラックの車検は、車両の種類や総重量によって有効期間が異なります。基本的には「初回車検」と「継続車検」で区分されており、登録からの年数や車両の大きさによって周期が変動します。
軽トラックの場合は、乗用車と同様に「新車登録から2年」、以降は「2年ごと」に車検が必要です。
一方、貨物車に該当するトラック(小型〜大型)は、車両総重量(GVW)によって区分されます。
- ・8トン未満のトラック(GVW8t未満):新車登録から2年後に初回車検を受け、以降は「1年ごと」の継続車検が必要です。
- ・8トン以上のトラック(GVW8t以上):新車登録から1年目で初回車検を受け、以降も「毎年」車検を受ける必要があります。
積載能力や車両への負荷が大きいトラックほど、法令により車検の頻度が高く設定されています。
なぜトラックの総重量で車検の有効期間が変わるの?
トラックの車検有効期間が車両総重量によって異なるのは、走行中に車体へかかる負荷や劣化の進行速度が重量によって大きく異なるためです。一般的に、総重量が重い車両ほど路面やブレーキ、足回りへの負担が大きくなり、部品の摩耗や故障リスクも高くなる傾向にあります。
また、トラックは日常的に長距離走行や荷物の積載を繰り返すため、乗用車と比べて消耗が早く、法定点検の頻度も高めに設定されています。
とくに8トン以上の大型トラックは構造上、安全性や環境負荷への配慮が重要視されています。車検が毎年義務づけられているのも、そのためです。
トラック車検の有効期間を確認する方法は?
トラック車検の有効期間の確認方法として基本となるのが「車検証(自動車検査証)」です。車検証には、有効期間満了日が「年・月・日」単位で明記されており、書類上で正確な期限を確認できます。
また、フロントガラスに貼られている「車検ステッカー(検査標章)」にも、車検の有効月と年が記載されています。こちらはひと目で確認できるため日常的なチェックには便利ですが、「日付」までは表示されていません。
詳細な年月日を確認したい場合は必ず車検証を参照しましょう。
トラックの車検は何日前から受けられる?
以前トラックの車検は1か月前から受けられましたが、2025年4月1日の法改正により、車検証の有効期間満了日の「2か月前」から受けられるようになりました。この「2か月前」という期間は法律で定められており、車両の種類や用途に関係なく一律です。
たとえば、有効期間の満了日が8月20日の場合、6月21日以降であればいつ車検を受けても、次回の車検満了日は「8月20日」のまま繰り上がることはありません。
トラック車検に必要な書類は?
トラックの車検に必要となる主な書類は、次のとおりです。
- ・車検証(自動車検査証)
- ・自賠責保険証明書(有効期間が車検満了日をカバーしているもの)
- ・自動車税の納税証明書(当年度分)
- ・任意保険証券(万が一の確認用として)
- ・認印(名義変更が伴う場合などで必要になるケースあり)
持参を忘れてしまうと、当日スムーズに車検が進まない可能性があります。書類忘れがないように、しっかりと事前準備しましょう。
トラックの車検にかかる日数はどれくらい?
トラックの車検に必要な日数は、整備内容や車両の大きさによって変わります。小型トラックで大きな不具合がなければ、1日〜2日で完了することが一般的です。大型車や追加整備が必要な場合は、2日〜1週間ほどかかるケースもあります。
店舗によっては、書類準備と事前見積もりを済ませることで、当日中に車検を完了できる「1日車検」に対応している場合もあります。
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